薯蕷(じょうよ)饅頭

芋の力だけで膨らませている為、きめが細かく、とても上品な和菓子です。
茶席や慶事・仏事などにも重宝されます。
季節などに合わせて色や焼き印を楽しめるのは、この饅頭の皮の白さゆえのことでしょう。
【材料(20個分)】
- つくね芋 60g
- 上白糖 120g
- 上用粉90g
- 小豆あん520g(26g×20個)
- 手粉用上用粉 適量
【下準備】
- 上白糖と上用粉はふるっておきます。
- 小豆あんは1個26gずつ丸めておきます。
- 蒸し器に火をかけ、蒸気を上げておきます。
【作り方】
- つくね芋は洗って皮をむきます。
色の濃い部分があったら取り除き、アクが強い場合は酢水に浸けておきます。 - 細かい目のおろし金ですりおろした後、コシを抜かないように気を付けながら、さらにすり鉢ですります。
3~4回に分けて上白糖を加え、その都度静かにすり混ぜます。 - ボウルに上用粉を入れ、その中に②のたねを移します。
- 手で生地を折りたたみながら少しずつ粉を混ぜ込んでいき、耳たぶくらいの弾力になるまで繰り返し行います。
- 手粉用の上用粉を敷いたバットに生地をあけ、13gずつ20個に分けます。
- ⑤を手の平で平らにのばし、あん玉よりひと回り大きくします。
中央に小豆あんをのせ、手のひらで軽く回しながら包みます。 - 上部を指先ですぼめて、しっかりと口をとじ、包み口を下にして整えます。
- 蒸気の上がった蒸し器に、クッキングシートなど敷き、その上に⑦を充分な間隔を空けて並べ、全体に水霧を吹いて強火で約10分蒸します。
蒸しあがったら、巻きすなどに移し、粗熱をとり、完成です。
【ポイント】
- 分量通りに作っても、皮が固くなってしまう原因は温度にあります。
生地に少しずつ粉を揉みこんでいく過程で、室内温度が高かったり、手の温度で生地が温まってしまうと、粉がいくらでも入り込んでしまい、仕上がりが固くなってしまうので気を付けましょう。 - 芋は冷蔵庫で冷やしてから使うようにし、手でぐちゃぐちゃ混ぜないようにします。
生地を折りたたむときも「静かに」を心がけるとよいでしょう。
黄身しぐれ
表面の亀裂から、包まれている餡が覗く姿が美しい和菓子です。
新粉などと餡を混ぜ、裏漉ししたそぼろ状の生地を枠に入れて蒸したものを「時雨」といい、この生地で餡を包んだものを「時雨饅頭」と呼びます。
これを応用し、生地に黄身餡を使ったものが黄身しぐれです。
黄身餡の生地と餡の間に、食紅や抹茶で色付けした生地を挟むと、亀裂からほんのりとその色を見ることができ、また違った表情を楽しむことができるのも魅力の一つです。

【材料(20個分)】
- 白あん 500g
- 卵黄 3個
- 上新粉 13g
- イスパタ(合成膨張剤) 1g
- 水 適量
- 小豆こしあん 400g
【下準備】
- 蒸し器に水を入れて火にかけ、タイミング良く蒸気が上がるようにしておきます。
上段には乾いた布巾を敷き、その上にわら半紙またはクッキングシートを敷いておきます。 - 小豆こしあんは少し固めに練り、20等分して丸めておきます。
水分が多すぎると蒸した時に割れができないことがあるので気を付けましょう。
【作り方】
- 白あんは鍋肌に広げるように加熱して水分をとばします。
- 白あんの一部と黄身をよく混ぜてから、残りの白あんを加えて全体にむらなく混ぜます。
指で触れても手につかないくらいの固さになるまで、弱火で加熱しながら混ぜましょう。 - ②に上新粉とイスパタを合わせてふるってから加えて、粉気がなくなるまでヘラで手早く混ぜます。
- ③を20等分します。
生地を手のひらで平たく円形に広げ、小豆こしあんを包み、丸めます。 - 準備した蒸し器に、包み口を下にした④を間隔をあけて並べ、強火で約5分蒸します。
- そのまま粗熱が取れるまで置き、粗熱が取れたら、崩れないように気を付けて取り出し、完成です。
【ポイント】
- 予想以上に膨らむため、蒸し器内には間隔を空けて並べましょう。
- 美しく生地が割れるためには、しっかりと蒸気が上がっている必要があるため、密閉度の高い蒸し器を使うとよいです。
- 生地が割れない原因は、
- 蒸気が弱いこと
- 生地の捏ねすぎ
- 寝かせすぎ
などが考えられます。
- 大きく割れすぎてしまう原因としては、
- 生地がかたいこと
- 蒸気の強さや蒸しすぎ
- 中餡が柔らかいこと
が考えられます。
あわせて注意しましょう。