はじめに

日本が誇る文化、和菓子

和菓子とは、皆さんにとってどのようなイメージでしょうか。

色鮮やかで美しく、細部までこだわった造形に、見ているだけでその季節の風景・香り・音までもが脳裏を横切ります。
まさに五感を刺激するような、日本が誇る『和菓子』は、2013年に『和食』がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを受け、今また注目を集めています。

和菓子の魅力とは

和菓子の魅力とは何でしょうか。

余計なものを入れず、素材の味を生かすように作られた美味しさはもちろんのこと、
その見た目の美しさも挙げられるのではないでしょうか。

日本には「四季」があり、季節の移ろいをとてもよく感じることができます。
その季節ごとの気候や、動植物の美しさ、行事の数々は、まさに日本の魅力でもあります。

そのような中で育まれてきた、日本独自の和菓子という文化は、人々の心を惹きつけてやまないものなのです。

五感で楽しむ和菓子

視覚

和菓子は、その見た目から季節を感じることができます。

春には、桜や鶯などをモチーフにした、華やかな色合いの和菓子が並びます。

夏には、見た目にも涼しげな、葛などを使った和菓子が、秋には、栗や紅葉など、こっくりとした色味の和菓子が多く作られます。

冬には、寒さの中にも、ホッとした温かさを感じられるような和菓子など、その季節をイメージする造形がなされるのです。

和菓子は、季節に合ったものが作られるため、その時期を過ぎると次の年までそれは作られません。
そんな季節のはかなさも感じられるのです。

味覚

和菓子は、とてもシンプルな材料で作られています。

そのため、餡が和菓子の命、と言っても過言ではありません。

餡は、ご存じの通り小豆から作られます。
その年の気候や土壌の状態など、どの年として同じ小豆はできません。
それでも、いつも変わらぬ味に仕上げるということは、かなりの経験と技術が必要です。

シンプルなものだからこそ光る、和菓子職人の技がそこにはあるのです。

触覚

和菓子には、しっとりした上品な魅力があります。
菓子楊枝を入れたときのスッと切れるやわらかな感触や、餅菓子のような少し弾力がある感触など、
これもまた和菓子を楽しむ感覚の一つでしょう。

嗅覚

和菓子には、強い香りを放つものはあまりありません。
そのことが逆に、お茶の香りを邪魔することがなく、茶席菓子として大成してきた理由なのかもしれません。

しかし、その愛らしい見た目から、花の良い香りなどが、まるで目の前にあるかのように想像できるから不思議ですね。

聴覚

煎餅などを除いて、和菓子の中に聴覚を刺激する音が出るものはほとんどありません。
では、和菓子でいうところの聴覚とは、どんなものでしょうか。

和菓子には、一つ一つ菓銘という、名前が付けられています。
その菓銘は、季節の動植物であったり、和歌などの古典文学からつけられたものもあります。

菓銘を聞いて、その季節や古典の情景を思い描くことができるというところも、
和菓子の魅力といえるのではないでしょうか。

心を満たす食べ物

物が豊富な現代において、菓子は生命維持に必ず必要か、というとそうではありません。

ただ、このように目で見て味わって、季節の移り変わりを感じたりすることで、私たちの心の栄養となってくれているでしょう。

和菓子コンシェルジュ資格取得講座とは

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そんな方に、ピッタリの講座です。

昔から行事とのかかわりも深い和菓子は、私たちの生活とは切っても切れない存在です。

和菓子について学ぶことで、日本の食文化や歴史、地方独特の習わしなど、今まで知ることのなかった、新たな発見が多くあることでしょう。

古典的で、どこかかたくかしこまった印象がある和菓子ですが、実は大福やどら焼きなど、普段からよく目にする馴染みの多いものもあるのです。

洋菓子と比べ、豪華な華やかさはないかもしれません。

でも、あのわずか数センチ四方に表現された季節感、菓銘に、息をのむような感動を覚えます。

それでは、知れば知るほど、奥が深い和菓子の世界をここから一緒に学んでいきましょう。